きっかけ
ゼミで福井市園芸センターから「ディノケール」という野菜のパッケージデザインを依頼されたことをきっかけに、ディノケールの現状を知り、女子大生ならではの視点でディノケールの知名度向上の手助けをしたいと思った。
私たち二人は“アイドルヲタク”という共通点があったため、そこでベジドルを思いつく。
研究内容
ディノケールをアイドルに見立て普及活動を行うことで、より幅広い世代から興味・共感が得られることを目指す研究。
ディノケールとは?/現状
イタリアトスカーナ地方原産
凹凸が特徴的なケールの仲間。
日本ではその色の濃さから、黒キャベツとも呼ばれている。
栄養価が非常に高く、寒さに当たって葉の凹凸が増え、美味しくなるため冬でもぐんぐん育つ。
福井の冬は気温が低いため、栽培に適しており、平成28年から特産化を目指した。
元の名を「カーボロネロ」という。
売れ行きが伸び悩む/単価が下落している/栽培面積が減少している/食べ方が分からないという声が続出している/そもそも名前事態に耳なじみがないといった現状を抱えている・・・。
ディノケールをアイドルに見立てるにあたり、「他の野菜に負けないくらい人気になってほしい」「センターを目指していってほしい」という思いからソロではなくグループにすることに決める。
ベジドルというアイドルグループを作るにあたって、ロゴとキャラクターを制作。手分けしてロゴを谷根が担当し、キャラクターは布川が担当した。
キャラクター製作
福井市の三里浜砂丘地で特産を目指す野菜、「さんりはまベジフル」をグループメンバーに決定。左からきんぷくすいか/きゃろふく/ディノケール/トマト/ぎんぷくすいかをモチーフにして制作。衣装をフリフリにし、淡い色でまとめてアイドルらしくなるようにした。
『君にみせたい 採りたての笑顔』
きんぷく
ベジドルのリーダー。まろやかな性格でグループ一優しいが、怒ると一番怖い。きんぷくの笑顔は「きんぷくスマイル」と呼ばれ、アイドル笑顔ランキング「殿堂入り」を成し遂げている。
『君に出会って世界が鮮やかになった』
きゃろふく
グループ一の元気っ子でムードメーカー。可愛さを追求する王道派アイドルで、優しさも兼ね備えておりファン対応がとても良いことで知られている。
『私をセンターに連れてって』
ディノケール
ベジドルに最近加入した真面目な清純派アイドル。ゴツゴツとした見た目とは裏腹に、健康的で美容家。優しい性格というギャップに惚れるファンが見込める。まだ新米アイドルでファンも定着していないが、向上心が人一倍強く、持ち前の努力家な性格でセンターを目指している。
『まんまるアイドル 今までもこれからも』
トマトン
丸く、柔らかく、おっとりとした性格。子役から活躍しておりアイドル歴が誰よりも長い。素直で温厚な性格で、メンバーによく可愛がられている。
『好きになった?このギャップ』
ぎんぷく
きんぷくの妹。甘みも強いが酸味もあるツンデレな性格をしている。しかし実は一番のファン想いで、皮が薄く破れやすいことから傷つきやすい一面も・・・。
グループロゴ制作
可愛らしさとアイドルらしさを意識して作成。イラストの淡いピンク基調に合わせてロゴもピンクで統一させた。丸みのあるフォントで柔らかい印象に仕上げた。
SNS発信(Instagram/TikTok)
ベジドルの知名度向上に向け、SNSのInstagramとTikTokで「さんりはまベジドル公式アカウントを開設。
公式アカウントの運営側として、Instagramではベジドルメンバーの紹介をイラストと共に投稿し、#(ハッシュタグ)に「野菜」や「福井」を付け知名度向上をはかった。
TikTokでは音楽にあわせてディノケールを躍らせることで、人々の興味を引くような投稿にした。
「さんりはまベジフル感謝祭」/ブース制作
11月23日にハピテラスにて「越前ふくいマルシェ&さんりはまベジフル感謝祭」が開催された。さんりはまベジフル感謝祭とは、福井市三里浜砂丘地で特産化を目指す野菜である「さんりはまベジフル」をPRするイベントである。そこでディノケールのパッケージデザインのお披露目をするとともに、ベジドルのブースを設けて頂けることになった。
より多くの人に見て頂けるように、うちわやペンライトなどのヲタクグッズや、メンバーのプロフィール、ポスターを制作してベジドルの世界観をこのブースに凝縮させた。
そして、メンバー人気投票を実施するべく投票箱も設置した。
▼イベント当日/ブース
予想以上に来場客が多く、ベジドルのブースにも沢山の人が来てくれた
▼投票結果
1位 ディノケール
2位 きゃろふく
3位 トマトン
まさか予想もしていなかったディノケールの1位。
元々、人気投票をすることになった理由として、「いつかディノケールを1位にするために今回1位になったキャラクターを参考に見た目や性格、売り出し方を変更する」という考えがあった。しかし、ディノケールが1位になったのでその必要は無くなった。
そして、なんと!!
福井市園芸センターの職員さんとディノケールを栽培している農家さんから
「ベジドルを公式PRで使わせてほしい。」という声を頂いた。
▼再びロゴ制作
ディノケールの公式PRに参加できるということで、さんりはまベジフル感謝祭で使用した際に画質の荒さについて指摘されたグループロゴを再び制作することにした。
アイドルらしい要素は残しつつ、ロゴに植物の芽のモチーフをつけたことにより「ベジドル」らしいロゴになったと思う。
そしてロゴが完成した頃、私たちの元に一通のメールが…
こうしてベジドルのこれからの活動は白紙になってしまった。
再・SNS発信(Instagram/TikTok)
このままでは知名度向上に向けた活動が足りないということで再びSNSでの発信に力をいれることにした。以前は運営側として投稿を続けていたが、ヲタク側の投稿の方が見てもらえるのではないかと考え、ヲタク側のInstagramとTikTokを開設した。
そこで「隠しきれないヲタク」というハッシュタグに目をつけた。
この214万投稿を越えるハッシュタグを活用すれば多くの人に見てもらえるのではないかと考え、私たちも可愛いヲタクになりきり投稿することにした。
投稿テーマ:「推しとすごすアフタヌーンティー」
10代や20代が興味を持ってもらえるようなスポットでディノケールちゃんを撮影。
#(ハッシュタグ)だけでなく、位置情報を追加し、広範囲にリーチするようにした。
投稿テーマ:「CDを買って推しのディノケールちゃんを自引きをした」
ベジドルのファーストシングルが発売された程でジャケット写真を作成。
投稿テーマ:「推しのカフェプリ♡」
ディノケールちゃんをカフ ェプリにした。流行に乗って逆再生にして投稿してみた。
ベジドルを通して沢山の人とコミュニケーションを取ることが出来た。元々ディノケールの知名度、認知度を上げるという目的で始めた研究だったが、自分たちの好きなアイドルというテーマのに沿って活動をして推しを応援することの楽しさも広めることが出来たのではないかと思う。公式PRにベジドルを使うという話は白紙になってしまったが、それぐらいベジドルを沢山の方に認めて頂けたことが私たちの自信に繋がった。
ディノケールの一般化まで行けなかったものの、幅広い年代に興味を持ってもらうことはできたと思う。さんりはまベジフル感謝祭でベジドルブースが目についてきてくれた方も沢山いたし、SNSも思っていた以上に多くの人が見てくれた。このさんりはまベジドルが微力ながらもディノケールの知名度向上の手助けになれることを願う。