卒業研究展2021 卒業研究展2021

仁愛女子短期大学

卒業研究内容

16.NEOSHIKI

風呂敷を現代向けに発展させる研究
澤 優樺

 

1.はじめに


タイトル説明

 

きっかけ

毎日デザインが変えられるトートバッグができないかと考えたことからこの研究が始まった。大学生になってから制服から私服通学へと変わり、毎日コーディネート 考えるようになった。しかし、通学に欠かせないバッグはファッションアイテムのひとつであるのに、ほとんどの人が毎日同じバッグを使っていることに気付いた。このきっかけから、何個もバッグを持つ必要が無く、1つでいろいろなデザインに変化するバッグを制作したいと考えた。

 

目的

1つの風呂敷からいろいろな見た目に変化するバッグを考える。
昔から使用されている風呂敷。様々な用途に使用でき変幻自在であるという利点があるにも関わらず、現代ではほぼ使われなくなっている。そんな風呂敷を現代向けに発展させる研究。

 

 

2.調査


風呂敷の近年の再評価

物を包む布としての起源は奈良時代に遡り、江戸時代になり銭湯の普及とともに庶民にも普及した。明治時代以降、西欧から鞄類が入り風呂敷の利用はどんどん減っていった。しかし、西洋渡来の鞄などに比べ、風呂敷には包むものの大小・形状にとらわれることなく変幻自在に包むことができる、包むものがないときには畳んでかなり小さくすることができて軽量であるという特徴がある。その融通性・自在性から、環境問題への貢献とともに、「風呂敷」が国内外で再評価されている。

 

風呂敷バッグの種類

風呂敷の包み方は40種類以上、風呂敷バッグの包み方だけでも20種類以上もある。風呂敷を2枚以上組み合わせたりアイテムを追加することで、さらにアレンジ方法の幅が広がることが分かった。

 

風呂敷バッグ生活

調べたことを踏まえて5日間の風呂敷バッグ生活を送ってみた。

結果



使用感はエコバッグのようで違和感がなく好感触だった。
しかし、風呂敷を持っていることに恥ずかしさ感じた。

恥ずかしさを無くす為に

1.風呂敷の素材をキャンバス生地に
2.アイテムを追加

することで現代向けの新しい風呂敷ができるのではないかと考え、試作に移る

 

 

3.試作

 

スナップボタンをつけたり、ハトメをつけたり、風呂敷の4辺に紐を通したりと、バッグになったときできるだけ結び目ができなくなるように加工を施す。ベルトのアイテムを足す。

 

 

4.完成

 

 

 

 

5.まとめ

 

結果・考察

スナップボタン、ひもを通す、ハトメで留めた穴を開ける3つの加工を施すことで、風呂敷の良さをそのまま活かしながら、現代向けの風呂敷バッグができた。はじめに、ただの風呂敷バッグを使用してみたときは、結び目が目立ち風呂敷感が強く出てしまったことで周りから浮いている感じがして恥ずかしかった。しかし、現代でもよく使われているトートバッグの要素を取り入れることで、ファッションに合わせやすく場面によって臨機応変に変化できる風呂敷ができた為、この研究の目的は達成されたと考察する。ただ、この研究の形が完成ではなく、まだまだアレンジできる余地があると感じた。そのため、これからも使用し続けてNEOSHIKIの可能性を広げていきたい。試作していくうちに風呂敷の融通性・自在制の素晴らしさを改めて感じるとともに、布一枚で、用途に合わせたこれほど幅広い結び方を生み出していた昔の人の、ものを柔軟に使用する力にも畏敬の念を持った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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