卒業研究展2021 卒業研究展2021

仁愛女子短期大学

卒業研究内容

05.心に寄り添いマスク

家族に寄り添うマスク制作
新井葵

研究目的

家族との日常会話で聞いたマスクに対する不満・悩みを解消すること(寄り添う)である。解消されることによって、新型コロナウイルスが流行しマスク必須になった今の時代を、少しでも快適に過ごしてもらえるようにというおもいを込めて研究に取り組んでいく。

 

研究方法

まずはパターンオーダーで作り、改善点が見つかり次第イージーオーダへ切り替えて制作に取り組む。

制作に取り掛かる前に、家族に意見を聞いたものをどのような方法で解消するかを分離化してみた。

これを元に制作に取り掛かる。

 

制作1

まずは既存の型紙を使用してマスクを作るパターンオーダーでマスクを制作した。

型紙サイズ表はこちら↓

完成写真

(左上:次女 右上:父 左下:弟 右下:長女 のマスク)

 

制作1では4人中3人が「サイズが合わなかった」と評価していました。また、水色のマスク(次女)のマスクのアレンジでも2点意見をもらった。

制作2の課題
・次女のマスクのアレンジの改良
・サイズが合わなかった3人は新しいサイズの型紙を作成するため、イージーオーダー
 へ切り替える

 

制作2

制作1との違い 使用する型紙(パターンオーダー→イージーオーダー

この赤色の型紙を使用しマスクを制作する。
・SM 次女
・メッシュM 長女
・メッシュML 弟

完成写真
(上:弟 左下:次女 右下:長女 のマスク)

制作1とのbefore→after

長女正面からの写真だとあまり違いを感じられないが、横から見た写真ではマスクがぴったりとフィットしている
長女「直して欲しいところが全て解消された」と、好印象な感想をもらった。

 

次女

マスクがぴったりと顔にフィットし、安定感が出た。マスク紐(リボン)のリングを1つずつにし、少し短くしたため邪魔にならないようにした。
さらにマスクについているリボンの色を濃い茶色から薄いピンクに変えたことで、マスクの見た目に一体感を感じられるように工夫した。
次女「ここまで自分にぴったりなマスクは初めてだった。外でも恥じらいなくつけられ
るデザインに改良されていてほっとした」と、次女もまた好印象な感想をもらった。

 


横向きの写真を見比べてみると、特に顎下がフィットしている。さらに正面の鼻元を見比べてみると、布がしっかり鼻を覆っている。写真では不満を解消できているように見えるが、このマスクにはまだ欠点があった。

弟「マスク自体のサイズはぴったりで良いのだけれど、僕は鼻が低いからしばらくつけ
  ていると下がってきてしまうので、ノーズワイヤーをマスクに入れてくれたらなお
  良かった
という意見をもらった。

——————————————————————————————————–

市販のマスクにアレンジ
家族のマスクと同時進行で行なっていた「私が欲しい」マスクである。家族に寄り添う研究なので、私も含まれる。


完成したマスクがこちら

つけてみた感想

気分マスク=サイズが少し大きいため、アジャスターをつけ紐を調整した。それによ
って顔にぴったりとフィットし、少し大きいマスクでもつけることがで
 きた。
水玉マスク=水玉模様が大きすぎ、色が派手すぎる理由から、このマスクは失敗。
一度つけて外出した時「恥ずかしい」と感じてしまった。
ツートーンマスク=無地でシンプルなツートーンのデザインでとても気に入ってい
る。しかし耳にかける部分の顔料(黄緑の部分)が固くなっているため
長時間つけると耳の後ろが痛痒くなってしまった。


結果・考察

家族(自分含め)5人中4人に寄り添うことができた。

「息ぐるしい」「耳が痛い」「フィットしない」という不満にはマスクサイズの調節、
「重い」には生地選びで、「自分好み・自分に合ったデザインが欲しい」という不満に
意見に合わせた微調整(アレンジ)をすることで不満を解消してきた。

しかし、結果の通り弟1人だけ不満を全て解消することはできなかった。イージーオーダーでマスクのサイズを新たに作り、弟のマスクを制作しぴったり合うサイズのマスクを作ることはできたが、長時間フィットし続けるマスクを作ることはできなかった

不満を解消する、寄り添った物作りをするためには、相手の意見や要望を聞くだけでなく、その人が試作を体験しているところを自分の目で見て、相手とともに改善点・改善策を考えるべきだったのではないか。

研究を通して変化したこと

私はこの研究で新たなサイズのマスク型紙を作成した。新たに作られた型紙は、既存のものの形をベースに作成することでできたため、既存の型紙がなくては生み出せなかったものである。このことから新たなものを生み出す時は、既存のものからヒントを得て生み出されているのだということに気がついた。
例を挙げるとすると、現在誰もが知っているスマートフォンも、世に出たばかりの頃は分厚く画面範囲も狭いものばかりだった。それを改善、それをまた改善することによって、今の薄く画面が広いスマートフォンへと変化していっている。

既存物があるからこそ不満・改善点が見つけることができ、より良いものしようとする行動が生まれる。

このことに気づいたことで、ものの見方が少し変わった。間違ったサイズの服やマスクを買ってしまっても、「どうしたら使いやすくなるか」を考えられるようになった。

 

 

 

 

 

一覧に戻る >
Share Facebookで共有 twitterで共有